Do You No Harm
「Do You No Harm」というフレーズが、英語の歌にいくつか出てくる。
「My Love Won't Do You No Harm」とか、
「I Won't Do You No Harm」とか、
「I 'll Never Do You No Harm」とか。
NotとNoがかぶっているが、二重否定ではなく、否定の強調の意味合いということらしい。
「あなたに危害を加えない」、やわらかくすると「悪いようにはしない」とか、「いやがることはしない」とかいうことだろうか。
ラブソングにしては、控えめな表現というか。
前後の単語と韻をふむための言葉なのか、慣用句としてよく使われているのか、語呂がよく好まれている表現なのか。
「愛」とか「愛している」とか、さらに「愛をあげる」とかいうことになると、そもそもそれは、発するほうの気持ちであり都合であり、とかく押しつけっぽくなりやすく、受けるほうからすると迷惑な場合も多々ある。双方の合意、同意、共有ということであればいいが、どちらか片方の思い込みがひとりあるきしてしまう。
そこには、「愛」という絶対的な善意の確信があるために、たちが悪いともいえる。
ただ、この「害を加えない」ということこそ、ラブソングのというか、「愛」というものの本質なのではないか、とふと思った次第である。
本質というか、希望というか。
「いやがることをしない」ことを「愛」ということにしたほうが、いいように思う。
いろんなことがまるくおさまるような。