初めてのこと、わからないこと
人生において、いま起こっていること、これから起ころうとしていることは、
そのひとにとって、初めてのことばかりである、と言っていいと思う。
経験があるといっても、細かく言えば、いまのそのことは、初めてのことである。
あるひとが、ほかのひとに、そのことはおれは経験がある、と言ったとしても、
ひとと時が違うので、参考になるともならないともいえない。どちらかというと、
参考にならない。
まして、世界でも稀有な、原子力発電所の事故、放射能のことなんて、ほんとに
初めてのことで、これは実際、だれもどうなるか、どうしていいか、わからないだろう。
わからないなりに、そのときにできるベストのことをやるしかないのが、ベストだ。
わからないことは、わからないと言ったほうが、今の知恵、次の知恵は出やすいと思う。
しょうがないとか、わからないとかを、正直に言える時代、世の中になればいいなあと
思う。