人間関係 距離と立場5
ボーダーラインを超えてくる手段は、大声、お金(による支配)、そして暴力である。
暴力は最終的に、究極的に、何よりも強い。この世では。
土俵に上ってなくても、意識もろとも奪われてしまう。
まず、最終的には暴力が一番強いということを確認する。
暴力の目的は、心を折ることと、身体を傷つけること、そして命を奪うことである。
暴力に対抗するには、その暴力を上回る暴力か、その奪おうとするものを捨てた気になることである。
失うものがない者がいちばん強い。窮鼠猫を噛む。
そのことも確認しておく。
お金による支配というのは、お金というものの重要性を、本来のお金の役割からくる価値よりもはるかに高く、人間にとって必須の、空気や水と同等レベルの位置に置くことによって、人間をお金の奴隷にするようなものである。
大きな自然災害に遭遇したときに分かるように、人間にとって本質的に大事なものはお金ではない。
空気や水や、食べ物や、屋根や毛布や、そういうものである。
そこのところも確認しておく。
あと、個々が、超えたくない自分のボーダーラインというのがある。
それは、一般常識と呼ばれる、いままでの習慣、既成概念、思い込みなどから作られる。
他人の目という概念も大きい。
こうあるべきだと一般に認知されているもの、自分でもそう思い込んでいるもの。
これを超えるのはなかなか難しいが、少し考えると、仮に超えてみたところでそんなに変わるものでもないことがほとんどだということに気づく。
たいしたことではない。本当に本質的に大事なことというのは、そんなにあるものではない。
これも確認しておく。