マキタカオライフ

It's Life and Life Only

心の働きとベクトル

たとえば、楽しいとつらい、とか、好きと嫌い、とかの、心の働きを表す言葉があって、それらはいわゆる反対語であるので、自分のニュートラルな感情を原点としてそれぞれ180度反対方向にベクトルとして向かっていると、ちょうど一直線上のゼロを基準にプラス方向とマイナス方向に向かっていると、なんとなくそんなふうに思ってきた。というか、おそらくほとんどのひとがそう思っているだろうと思う。

しかし、楽しいがきつい、とか、つらいあとの達成感とか、好きゆえに嫌いなところが際立つとか、嫌いだけどここだけは認めるとかの、いろんな感情がある。ベクトルがどっちを向いているか、ほとんどおんなじ方向かもしれないし、90度かもしれないし、あるいは、ベクトルも2本ではなく、5本も6本もあるかもしれない。そもそも原点がどこかさえも、決められない、わからない。

心の働きというのは、そんなに単純なものではなく、そもそもが混沌としたものである。反対語であるからといって、白か黒かどっちか、みたいにはっきりさせることは、かならずしも正しいということはない。はっきりさせることで、抜け落ちてしまったり、偏って固定されて、定着してしまったりして、あとあとめんどくさいことにもなりかねない。
なるべくこだわらない、というか、型にはめない、というか、なにごとも決めつけないようにしたい。