これから
「それから」という有名な小説があるが、「これから」という小説はあるのかな。
その日、何ヶ月ぶりかの出張の東京で、あの地震を経験した。
その瞬間(というか瞬間ではなく続いているのだが)は、なんか呆然としているというか、呆然とただ立ち尽くすというか、そんなに怖いと感じていないというか。
実際、死ぬときもこんな感じなんだろうか。
生きているいま、思い起こすとかなり怖いのだが。
便利になるように、楽になるように、いろんなものをこしらえてきたけれど、
それらがなくなると、いっぺんに不便になる、どうしていいかわからなくなる、
結局、作ってきたもんにしばられてる、文明が発達すればするほど、しばりは多くなる。
つねづね思っていたけれど、確信する。
人間よりも、鳥のほうが賢い。
続く。